2012年11月1日木曜日

東京ぶらぶら

私の恩師がこれまでの建築家として歩んでこられた足跡を書籍にまとめられ、出版されることになりましたので、その記念パーティに出席をさせていただくということで東京へ行ってまいりました。(出版記念パーティ

一日だけ、余暇を設けましたので東京を散策する事にしましたが、いつもは良く古巣である吉祥寺であるとか青山近辺とかを歩いたりするのですが、今回は少し堅い街を歩くことにしました。

コースは三宅坂から始まり、桜田門→二重橋→馬場先門→丸の内→東京駅→有楽町→京橋→銀座→数寄屋橋と歩いてみました。途中で食事をしたり、お茶を飲んだり、建物を見たり、休んだりで東京の街をぶらぶらといった感じです。

一番町から始めるつもりだったのですが地下鉄下車駅を間違えて、地上に出たのが桜田門でした。もう引き返さすのをやめにして、そのまま先に進むことにしました。地下鉄の地上出口では護送車のような厳つい車が止まっていて、警察官が数人いたので何かあったのかとちょっと驚きましたが、そこは警視庁本館玄関前でした。

なるほど警視庁を桜田門とはよく言ったもので、丁度すぐ向かい合わせに桜田門が見える。そして隣には法務省のクラシックな建物が見えます。ここから桜田通りを挟み南西の方角に向かって霞ヶ関官庁街が続き、そして虎ノ門、神谷町、麻布へと、更に国道1号線として西国へ延びて行く。












桜田門から皇居へと入って行きました。

二重橋を訪れたのは今回が始めて。

♫ 記念の写真を撮りましょうね ♫

外国からの旅行者が目立ち、お互いを写真に撮り合ったりしていた。

皇居周辺のオフィスビル群は最近になって相当様変わりをしました。建物は巨大化し、そのデザインも洗練されている。質の良さと建築文化の進化を感じられずにいられない。丸の内周辺もきれいに整備されてきた。

丸の内街区は三菱が明治の初代から開発に関わってきた経緯もあって、現在でも街づくりに深く関与している。一つの街づくり理念が長い時間を通して浸透してきているので、東京の他の街区とは趣を異にしているところがある。他ではできなかった都市の在り方を可能にしている。












超高層ビルの谷間に低層建物の美術館、ティーテラス、レストラン、ショップなどを緑のオアシスの中に配置している。

現在の超高層ビルに建て替えるに当り、旧丸ビルに用いられた都市スケールの残像も新しい超高層ビルのフォルムに再び見ることができる。超高層から一昔前の歴史的なスケール、更に人に近いスケール、緑の遊歩道などをうまく調和させた街区に生まれ変わっている。











ここでは車より、人が優先されている。広い歩道の並木道。東京駅と日比谷通りの中間とは思えない静かな佇まいである。















旧丸の内ビル(1923年竣工)の杭に使用した松杭を展示してあった。(正面と床のショーケース)

長さ15mの松杭を5443本も使用していたそうだ。解体の時に地中から掘り出した杭からまだ松の匂いがしていたそうだから、如何に耐久性のある材料だったかを物語っている。およそ90年もの間、地中にあって腐らないとは驚きです。シロアリは霞ヶ関の方へ集まり、丸の内にはいなかったに違いない。











東京駅
きれいにリニューアルされていました。
水平に長く伸びていて全体が写真に納まらない。

周辺の超高層ビルは東京駅の空中権を借りる事によって存在しているのだそうだ。












丸の内側玄関前 

ステーションホテルと南口を結ぶ連絡路

クラシックな本館に対して、現代的なデザインのキャノピーを設けている。

正面突き当たりに見えるのが旧郵政省のビルです。ここも一部を保存し、超高層ビルへと生まれ変わっています。

お昼は丸の内ビルの地下レストラン街で牡蠣の天ぷら(フライではなく)を食べようと思っていました。おいしいランチを出すお店があります。しかし、東京駅を見終わったのがまだ11時過ぎです。少しお昼には早い。先に進む事にします。

有楽町のガード下の飲み屋というのは以前から知っていましたが、あんなに広範囲に渡って続いていたとは知らなかった。私が知っていたのはほんの一部だったようだ。

有楽町の裏通りを歩いていると日本人と欧米系の人が列を成している。中華の店先だ。引込まれるように列に並んで、直ぐ前の若者に尋ねた。「何が旨いの?」「餃子です」と返ってきた。小ぶりのバナナのような餃子が8個ほどお皿に載っていた。味は悪くはなかったが、私にはその夜に姉の家で食べた春巻の方が美味しく感じられた。














銀座中央通り

おしゃれなビル(ダブルスキンの表層)
このビルだけ抜きん出て高く建っているのが不思議。

歩行者天国では秋晴れの中、ヨチヨチ歩きの坊やを心配そうに見守るお父さんの姿が印象的でした。

銀座から新富町、八丁堀へと入るに従って、居住区に変わって行く事を伺わせる。その親子は近くから散歩に来たのだと思った。

この後、銀座のアップルのお店に立ち寄った。お店の中はお客で満員。英語と日本語が飛び交っていた。ここで働くには英語は必須条件だなと思った。とにかくそこには活気があった。