2010年10月27日水曜日

りフォームに挑戦 その5/6

床:桜フローリング張りです。

兄も手伝ってくれたので工事は3日間ほどで終わることができました。工事前に少し気になっていたのはこの間の食事をどうしようかということでした。しかし結果的に一度も台所の機能が損なわれる事はありませんでした。方法は後ほどご説明します。

図1:板の張り方
改修前の床材はクッションフロアを合板に貼り付けたものです。寸法は300×1820×12mm。この1820mmという寸法が実に有難かった。と言いますのは新設床材である桜フローリングも同じく1820mmの長さであり、これがもし違っていたら板の継ぎ目と根太位置とが合わなくなってしまうことがあります。フローリングは交互にずらして張りますので、1列目と2列目とでは板の半分のところに継ぎ目がくるようになります。(図1)そういったところにも必ず根太が必要となりますので、この同じ長さである事は大変有難いことでした。

木製フローリングの価格は数年前と比べると上昇してきておりますが、いろいろと調べてみた結果、建築材料の量販店で9980円/坪というのを見つける事が出来ました。これは本当に安いと思いました。桜は無垢材で30cm毎に集成してあるものです。

 張り方 
図2:継目の納まり

  1. フローリング張り用釘と木工用ボンド併用。
  2. 材質が硬いので板が割れないために釘より若干小さめのドリルで穴を空けた後で釘打ち。
  3. 釘頭が少しでも出ていると次の板が完全に入らずに苦労しました。逆にめり込むほどに釘を打つと殆どの場合、板が割れてしまいました。専用釘以外は使えませんね。
  4. 3番目は大事な事で少しくらいの目地の空きを妥協するとその次からの板に影響してきます。    
    図3:最後列板の納め方
    
  5. 最終列の板張りは職人技が要求されます。板どうしの継ぎ目が図2のようになっていますのでそのままでは壁との間に隙間が出てきます。そこで図3のように端をテーパ状に削るようにして納めます。(床張りの後に壁もやり替える場合はその必要はありません。)
 張り手順

工事中に台所を機能させるためには以下の方法をとりました。この方法は台所の機能を中断させないためだけではなく、将来のメンテナンスを考えた上でのことでもあります。実際35年間使用してきた流し台の下の床は腐食しており、ボロ々の状態でした。
  1. 既存の流し台、及び調理台を手前に移動させた後で、その部分(奥行き500)を先に張ってしまう。(所要時間半日)
  2. 張り終わったら古い流し台等をいったん元に戻す。今張った部分は隠れてしまいます。 
  3. 流し台を少し持ち上げると、1で張った部分が表れるのでそこから新たに張り始めます。つまり1の床張りと3の床張りとでは縁が切れている訳で、そのことで将来、腐り易い流し台下部を自由にメンテナンスできると言う訳です。
  4. 流し台下部以外は半日で進捗できる床張りの範囲を「壊しては張る」を繰り返す。
  5. 床張り工事が終了後に流し台の新旧入れ替え。
 張り終わった後で以前のクッションフロアと比べて見ると、やはり全然違った印象になりました。見た目にもきれいですが特に歩いた時の足の感触が素晴らしい。「流石に無垢の桜材だけのことはある。」といった印象です。やりがいがあったと報われました。

2010年10月26日火曜日

リフォームに挑戦 その4/6

天井:ロックウール吸音板張りです。

床を張る前に天井張りです。順番が逆になりますと脚立、足場などで新しい床を傷つけたり、汚したりしますのでこの順番が良いと思います。既存の天井には石膏ボード基材のプリントボード455×910が張ってありました。今回はその上にロックウール吸音板を張ることになりました。既存材を解体した後に新しい材料を張る方法は工事が大掛かりになり、とても私の手には負えないと思いましたので最初から上張りを選択しました。

材料:ロックウール吸音板303×606×9mm
価格:3180円/坪

製品の継手は相じゃくりと本実との併用になっています。要するに前後左右のボードは凸凹の絡みを持って接合されるように作られております。柔らかい材料ですので扱いに苦労しました。

張り方
  1. 通常は糊とタッカー(特大ホッチギス)とを併用して張ります。
  2. タッカーがありませんので釘を使用。(メーカーでは不可となっています。)
  3. 下地となる既存のプリントボードは予めマジックリンと雑巾とで汚れを除去。
  4. 糊は酢酸系を使用することとなっていたので木工用ボンドを使用。
  5. 釘はメーカーが指摘しているように使わない方が良い。
残念ながら仕上がりはあまりきれいとは言えなかった。このような柔らかい材料は例え継手が本実になっていようとも、下地にガイドラインとして墨を描いておくべきだったと後悔しました。おまけに金槌が当たった部分は修復が利かない。かなりデリケートな工事を要求されました。

もう一人の兄が手伝ってくれたお陰で助かった。糊を付ける→張り位置微調整→釘を打つの一連の作業の中で張り位置微調整は下から目線からのアドバイスが必要なのでとても一人では困難だと思います。それでも最後の方では作業慣れが出てきたせいか最初よりきれいに張れるようになったと思います。また本実になっているので右から左、奥から手前の方向へと向かって張ることになりますので、予め部屋の四隅のうち、何処から始めてどこで終わらせるかを検討しておいた方が良いと思います。

2010年10月23日土曜日

リフォームに挑戦 その3/6

友人に今回のリフォーム体験を話してみたところ、「オレにはそんな面倒な事は出来ない。」と言っていました。

”好きこそ物の上手なれ”で、日曜大工などを面倒と感じてしまう人には向いていないと思います。私の場合はプロセスと結果、そしてその後に残る体験感に興味があったので最後までやり抜く事ができました。それは好きな登山の心境にも似たものでした。

さて最初の工事はキッチンパネル張りです。
キッチンパネルは「アイカ工業」などの会社が作っている製品です。寸法は930mm×2450mm×3mm。通常は13,000円/枚くらいしますが、今回はバーゲン品を見つけて8500円/枚で手に入れることが出来ました。使用枚数は全部で4枚です。

この製品は不燃性でしかも汚れにくく、特にキッチン周辺には最近よく使われております。表面が硬いので切り難く、プロの職人さんは特殊の刃を用いた電動丸ノコを使用していますが、私はホームセンターに行き、デコラ用の普通のノコギリを購入して試してみました。思いの他問題ありませんでした。しかし切りクズの粉が体に付着するとあとで痒くなります。原因は恐らくガラスクロスのせいだろうと想像しております。洗濯物の近くでは作業しないことをお薦めします。

張り方
  1. 基本的には両面テープと専用ボンドとを併用します。両面テープはボンドが乾くまでの間の仮止め用です。私はボンドのみを使いました。ボンドが乾いて安定するまでは木板と角材を使用してパネルが動かないように固定しました。
  2. 下地は新品の石膏ボード又は合板などが基本です。
  3. 既存のタイル下地などの場合はマジックリンなどの洗剤でタイルの表面をきれいにしておきます。
裁断サイズは張りたい箇所の内法寸法より数ミリ少ない寸法にした方が良いと思います。他の部材との間に2mm程の隙間を空けるようにして張り、あとでそこにシール材を充填します。またこの製品は比較的に値段が高いので無駄を出さないためにも予め紙上にて検討してみた上で裁断してください。

張り終わってボンドが安定したら
  1. パネルの接合部又は入り隅部にシール材を充填します。
  2. 出隅部はアルミアングル材などを当てます。メーカーに専用のものが用意されておりますが私は市販のものを使用しました。
  3. シール材を充填するときはマスキングテープを使用して他を汚さないように注意してください。
  4. 最後にパネルに貼ってある養生シートを剥がせば出来上がり。
当工事では下地にビニールクロスの箇所がありましたので、その部分はボンドの付着性が悪いだろうと思い、その上に新たに杉材の厚さ12mmの野地板材を30cmピッチくらいに打ち付けた後にパネルを張ることにしました。もちろん杉材は下の胴縁に固定しています。石膏ボードには釘は利きませんので注意してください。

また老婆心ながら、天井部分の寸法採りとノコギリでの裁断の時とはパネルに対して目の位置が違いますので(見上げる/見下ろす)寸法の書き写しに注意が必要です。

2010年10月22日金曜日

リフォームに挑戦 その2/6

概要
DK床面積=3m×4m=12㎡(3.6坪)
出窓=巾2m、奥行き0.4m、高さ1m

今回のリフォーム箇所を分類すると下記のとおりです。
  1. 床:桜フローリング張り
  2. 壁:ビニールクロス貼り
  3. 天井:ロックウール吸音板張り
  4. 台所周辺(壁・天井と出窓部分):キッチンパネル張り
  5. 流し台と調理台の取替え
  6. 換気フード
以上が今回私が行った工事です。掛かった費用は材料代その他雑費込みで20万円、手間費は計上せず、です。

工事に関しては全くの素人である私でも何とか出来てしまいました。素人が工事を行う場合にもしコツがあるとすればそれは呑込み(理解)だと思います。これから行う仕事の呑込みです。実際、日曜大工の延長で出来てしまいます。興味のある方は挑戦してみては如何ですか。(但し火を使用する部屋のリフォームは仕上げ材の制限があったり、大規模修繕に至っては確認申請が必要な場合があったりしますので注意してください。)

それでは上述した各工事を実際に行った順番に並べ替えてみます。
  1. 台所周辺:キッチンパネル張り ↓
  2. 天井:ロックウール吸音板張り ↓
  3. 床:桜フローリング張り      ↓
  4. 壁:ビニールクロス貼り      ↓
  5. 流し台と調理台の取替え    ↓
  6. 換気フード
次回からこれらの工事に関しまして記述してみたいと思います。

2010年10月21日木曜日

リフォームに挑戦 その1/6

ダイニングキッチンをリフォームしたい
と実家の兄から相談を持ちかけられた。

35年前に建てられた木造住宅のDKで、兄の要望は劣化が目立つ床、壁、天井の各仕上げ材の張替えとキッチン設備を新しくするというものです。

35年前、お盆か正月に東京から一時帰省した折に出来上がったばかりの住宅を見た時にどうしてこんなプランになるのだろうと当時の私は思った。各部屋は暗い廊下で繋がっており、部屋の容態は家具の配置を全く無視したものでした。まだ建築学科の学生だった私でもこれよりは良いものを考えられるだろうと思ったが、新築住宅を手に入れ、喜んでいる兄にそんなことは話せなかった。それにもう家は既に出来上がっていた。

住宅の中でも特にDKは主婦の動線、キッチン設備及びテーブルの配置、ドア及び勝手口の位置など整理しなければならない要素が密集している箇所です。我が実家のDKではここの処が全くと言って良いほどに考察されていないのでした。

ホームドクターの視点で見れば、この肝心要の治療を施さなければ完治は無理というべきなのでしょうけど、予算の都合があるとのことで上述のように仕上げ材の張替えと流し台のリニューアルのみが今回やらなければならない課題となったのでした。

完治しない治療なのだから掛かる費用も最小限にしなければならないということでリフォームに必要な金額をできる限り抑えようと工事に関しては素人である私が担当することにしました。素人であるが故に全くのボランティアです。ひとつの工事を終わらせる毎に、溜まってきた自分の仕事を片付けなければならない日々が一月ほど続きました。(素人とは言え、工事監理は私の専門のひとつでもあるので工事を評価する目は持っているのです。)

工事に先立ち、準備として下記のことがらを整理することにした。
1.使用材料の選択(素人でも出来そうな工事方法を念頭に)
2.それらの材料を何処で、またいくらで購入するのか
3.工事方法と所要時間(工事中に出来るだけ台所の機能を中断させたくなかった)

上の事柄をあれこれイメージしている間に、実際に材料を置いてあるホームセンターや問屋にも足を運んだり、或いはネットで調べたりしているうちにだんだんと選択肢が見えてくるようになりました。

次回は実際に行った工事とそれに関連したことを書いてみたいと思います。