2010年4月22日木曜日

環境と暮らし

わが国でも最近になって漸く、環境意識を持つことの必要性が叫ばれるようになってきました。建築生産現場を例にとっていいますと、最近では住宅建築等の際に高気密、外断熱工法が高品質住宅の金科玉条のように扱われ、その普及が進んできています。そのこと事態、結果を導き出すプロセスに誤りがなければ奨励すべきことだと思います。しかし同時に住み手側が如何にその家の性能を発揮していくかという問題も考えなくてはなりません。ここでは住み手の意識が住宅のみならず、地球環境の快適性をも左右してしまうという認識を持つことの大切さについて触れてみたいと思います。

高気密は換気方式とセットであり、空調方式も併せて計画していかなければ、却っていろいろな弊害を発生することになりかねません。また外断熱は基本的には24時間空調が前提で考えるべき方式で、そうすることで初めてその性能が発揮されます。空調機のスイッチの入れ方によっては、むしろ内断熱の方が好ましい場合もあり又、地域によっても採用条件が違ってきてしまうと思います。木造とコンクリート造のように蓄熱量の違いであるとか、或いは屋根の形状にも注意した方が良いでしょう。

このようにある性能を得るには条件にあった装置を上手に採り入れ、そしてそれを上手に使いこなしていくことが大事です。然しそれだけでは地球環境を守るにはまだまだ不足であるという事例がニュースなどでも多く採り上げられています。それでは今、私たちは何を考え、何を為すべきなのでしょうか。私たちに求められているものは目前に立ちはだかる問題をテクノロジーによってのみ解決するという姿勢だけでは不足で、ライフスタイル、価値観にも及ぶ考え方の変革を迫られているかもしれません。この問題を解く糸口は性能の良いものを手に入れたから安心とか、先端技術に取残されてはいけないということだけではなくて、むしろ先人達が昔から工夫して生活していた中にそのヒントが隠されているのではないでしょうか。

環境とエネルギーと暮らし方をセットで考えるということは、自然のからくりを考えることだと思います。快適に上手に暮らしながら、且つ必要エネルギーからの廃棄物を減らすには環境意識の普及が広く求められています。火力発電、原子力発電などはそのエネルギーを産み出すために出口側に大量の、或いは危険な廃棄物を出し続けますが、この廃棄物は地球のエネルギー循環システムには元々なかったものです。風船のように閉鎖している地球では、このような人間の営みが続く限り生物が生き延びることができる環境は次々と破壊され、その触手が今も尚、増殖し続けています。それらの起因は全て、人間の行為の出口側にある廃棄物です。何かを産み出すということは、それを産み出すために使用するエネルギーからの廃棄物も同時に産み出すということです。

この原因を生み出しているのは私達人間の営みであり、これを何とかしなければならないのも人間の営みである普段の暮らしの姿勢が鍵となります。私達の生活は最早、産業革命以前に戻すことはできない。私達に必要なことは環境の仕組みにもっと目を向けることであり、何を為すかを知ることであります。その結果としてテクノロジーを上手に使用していくことではないでしょうか。環境意識を持つことはその扉であると考えます。どのような生活が理想なのか、受け継いだ地球を次の世代に、或いはどのような地球にしてバトンを渡していけるのかを真剣に考えなければならないと痛感しています。

「夏の炎天下、家が藤棚の下に建てられていたら、どんなにか涼しい住み家になることでしょう。」

「冬、昼間に受けた建物への陽射しで熱を溜め、夜になってそれを使うことができたら、どんなにか快適なことでしょう。」

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