福島原発の設計で想定していた話をいろいろと耳にしますとその内容の酷さにただ驚く事ばかりですが、その事については別の機会で触れる事にして、東北関東地震に関連するところから始めたいと思います。今回の大災害は主に津波の破壊力によるものであったと思います。地震そのものによる被害は津波のためにまだ良くわかっていません。
ところで津波の破壊力は建築の構造計算を行う上で考慮されているのかという疑問をお持ちの方もおられるかと思いますが、答えはノーということになります。津波災害は普通の建築では考慮されておりません。(原発などの特殊な施設、またはその必要がある施設は考慮されなければなりません。)テレビの映像でもお分かりのようにその破壊力は凄まじいものでした。その破壊力は5ton/㎡と言われています。この数値は200m/s以上の風圧力に相当し、超巨大竜巻F6(160m/sくらい=現実には発生していない)以上の破壊力と言うことになります。
通常、建物の構造計算を行う場合は、基本的には現行の建築基準法に定められている基準に沿って行われている訳ですが、採用される計算データは時間が経つに連れ(大きな震災毎に)改正されています。採用される構造基準は、これまで起きた事象に対して万全であると言えますが、予測されない事態が起きるとその度に、ある程度の被害を蒙り、そしてその対策として基準の見直しが繰り返し行われ、少しずつ改善されていると言う現状を知っておく必要があると思います。
恐らくこれからも見直され続けて行くだろうと思われます。近年に見直しされた例をとりますと、阪神淡路地震が起きた後、特に木造家屋の構造基準が大きく見直されています。この時は、地震の揺れに対して、大まかに(1)耐力壁量の計算方法、(2)耐力壁を構成する部材相互の強度的な担保に対策がとられたと言って良いと思います。
その都度の見直しという事について、もう少し付け加えてお話します。最近、長周期地震動が超高層建築物に及ぼす影響に関するニュースが話題にのぼる事があります。超高層建築の設計がスタートした時代では、その事がまだ正しく理解されていなかったこともあり、設計には反映されていませんでした。建築基準法の告示に取上げられたのは2000年の事です。その後も十勝沖地震などのデータを通じて長周期地震動対策についての研究がされ続け、現在に至っています。
このように、これまで起きた地震等のデータ、或いは判明されている事象に就きましては建築基準法にきちんと組入れられていますが、未知の領域のもの、或いは自然界で新たな事象として起きるかもしれない予測不能な事は、現在の基準には組入れられていないということなのです。このような話をすると一寸以外だと思われるかもしれませんが、科学や技術はいつの時代にも進化の途中であると言う事を認識しておく必要があるかと思います。しかし、そうは言っても地震対策における日本の建築技術水準は世界一であると言えるでしょう。
現在一般的に行われている建物の構造設計では地震力でも、風圧力に就いても、過去のデータから設計条件を決めて構造耐力の上限を設定し、その範囲内で計算が行われています。社会基盤としての建築物の安全性を決める際には、得られる安全性と掛けるコストとのバランスから、これ以上の対策は諦めざるを得ないという判断もされている訳です。
想定されている地震規模に就きましては150年から200年に一度の周期で、これまで国内を襲ってきた巨大地震をその上限としています。万が一、その巨大地震(震度7程度)が起きた場合でも、建物が崩壊せずに建物内外の人命を守ることを目標としています。但し、地震後にその建物を再利用できるかどうかは考慮されていません。
風力に就きましては最大風速30m〜46m/sの範囲を想定して建築が建つ場所により計算基準ベースを定めています。地震でも風力でもそれ以上の規模を個別に想定して設計する事はもちろん可能ですが、前述のように建築コストに大きく影響してきます。
このように国内の建築物については、国が上に掲げたように自然の猛威の最大規模を想定して、万が一、そのような災害が起きた場合でも、崩壊する事のない強度を定め、社会全般での生活環境の安全を図っています。そのために工事現場の施行に至るまで、その方針が担保できるような仕組みになっていなければならないことは言うまでもない事です。
地震国日本では地震対策は安全な生活を守る上で大変重要なテーマです。また最近、日本列島を襲う台風はその規模が段々と拡大しつつあり、それに伴い最大風速も大きくなっている傾向があります。
特に沖縄、九州では風圧でガラスが割れた事例を多く聞きます。これはサッシに取り付けるガラスの厚みを設計する際の最大限度を上回った風が吹いたという事を意味します。又これが建物全体に及ぶ災害規模の事例が米国で多発している竜巻で見て取れます。
これから住宅などを建てられる皆様は、全ての事象 を網羅することはできないかもしれませんが、地域の特性を良くお考えになった上で、ご自身で万が一の場合を想定し、ここまではという線引きして計画をされる必要があるかと思います。そして専門家の方々に相談された上で判断されるのが良いのではないでしょうか。
通常、建物の構造計算を行う場合は、基本的には現行の建築基準法に定められている基準に沿って行われている訳ですが、採用される計算データは時間が経つに連れ(大きな震災毎に)改正されています。採用される構造基準は、これまで起きた事象に対して万全であると言えますが、予測されない事態が起きるとその度に、ある程度の被害を蒙り、そしてその対策として基準の見直しが繰り返し行われ、少しずつ改善されていると言う現状を知っておく必要があると思います。
恐らくこれからも見直され続けて行くだろうと思われます。近年に見直しされた例をとりますと、阪神淡路地震が起きた後、特に木造家屋の構造基準が大きく見直されています。この時は、地震の揺れに対して、大まかに(1)耐力壁量の計算方法、(2)耐力壁を構成する部材相互の強度的な担保に対策がとられたと言って良いと思います。
その都度の見直しという事について、もう少し付け加えてお話します。最近、長周期地震動が超高層建築物に及ぼす影響に関するニュースが話題にのぼる事があります。超高層建築の設計がスタートした時代では、その事がまだ正しく理解されていなかったこともあり、設計には反映されていませんでした。建築基準法の告示に取上げられたのは2000年の事です。その後も十勝沖地震などのデータを通じて長周期地震動対策についての研究がされ続け、現在に至っています。
このように、これまで起きた地震等のデータ、或いは判明されている事象に就きましては建築基準法にきちんと組入れられていますが、未知の領域のもの、或いは自然界で新たな事象として起きるかもしれない予測不能な事は、現在の基準には組入れられていないということなのです。このような話をすると一寸以外だと思われるかもしれませんが、科学や技術はいつの時代にも進化の途中であると言う事を認識しておく必要があるかと思います。しかし、そうは言っても地震対策における日本の建築技術水準は世界一であると言えるでしょう。
現在一般的に行われている建物の構造設計では地震力でも、風圧力に就いても、過去のデータから設計条件を決めて構造耐力の上限を設定し、その範囲内で計算が行われています。社会基盤としての建築物の安全性を決める際には、得られる安全性と掛けるコストとのバランスから、これ以上の対策は諦めざるを得ないという判断もされている訳です。
想定されている地震規模に就きましては150年から200年に一度の周期で、これまで国内を襲ってきた巨大地震をその上限としています。万が一、その巨大地震(震度7程度)が起きた場合でも、建物が崩壊せずに建物内外の人命を守ることを目標としています。但し、地震後にその建物を再利用できるかどうかは考慮されていません。
風力に就きましては最大風速30m〜46m/sの範囲を想定して建築が建つ場所により計算基準ベースを定めています。地震でも風力でもそれ以上の規模を個別に想定して設計する事はもちろん可能ですが、前述のように建築コストに大きく影響してきます。
このように国内の建築物については、国が上に掲げたように自然の猛威の最大規模を想定して、万が一、そのような災害が起きた場合でも、崩壊する事のない強度を定め、社会全般での生活環境の安全を図っています。そのために工事現場の施行に至るまで、その方針が担保できるような仕組みになっていなければならないことは言うまでもない事です。
地震国日本では地震対策は安全な生活を守る上で大変重要なテーマです。また最近、日本列島を襲う台風はその規模が段々と拡大しつつあり、それに伴い最大風速も大きくなっている傾向があります。
特に沖縄、九州では風圧でガラスが割れた事例を多く聞きます。これはサッシに取り付けるガラスの厚みを設計する際の最大限度を上回った風が吹いたという事を意味します。又これが建物全体に及ぶ災害規模の事例が米国で多発している竜巻で見て取れます。
これから住宅などを建てられる皆様は、全ての事象 を網羅することはできないかもしれませんが、地域の特性を良くお考えになった上で、ご自身で万が一の場合を想定し、ここまではという線引きして計画をされる必要があるかと思います。そして専門家の方々に相談された上で判断されるのが良いのではないでしょうか。
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