2011年5月28日土曜日

私も人災だと思います。

一般に建物を設計する時の条件というのは前回のブログで示しましたように、予め設定された地震力、風圧力に耐える事ができる強度を確保します。そして扱う建物の社会的機能によって、それぞれのカテゴリがあり、それに応じた安全率が採用されます。

例えば災害が起きた時に応急対策活動などを行う拠点となる大病院、庁舎、消防署、警察などは通常の建物より安全率を高くとり、災害によってその機能が失われないようにします。



そのような意味で原発施設などはスーパーカテゴリに位置するものと理解してきました。しかしそこでサポートすべき、これまで培ってきた技術は、肝心要なところで活かされない障害が存在していたようです。

以下の『 』の部分は中部大学の武田先生のブログの一部を転載したものです。


『もともと、今回の福島原発の事件は「技術的問題」より「人災」の色彩が強いと私は思います。近くに原発がある人は参考にしてください。

1) 地震や津波に強く設計できるのに、総合的に言えば「震度5」ぐらいで原発を設計するという非常識なことが行われていたこと、

2) それでいて、平気で理由も示さずに「原発は安全です」と言っていたこと、

3) 電力が「安全です」というのは当然なのに、それを受け入れていた日本社会と、実質的にチェックしていなかった保安院、

4) 原発がくればお金がもらえるという考えもあったこと、

5) 技術は間違いが起こるのだから、起こった時のことを考えた事前の対策が必要なこと、

6) 対策が出来ていたら、その訓練もすること、

7) 実際に福島原発で事故が起こりそうになった3月11日夕刻、気象庁が風向きを発表して、それに基づいて11日の夜にバスなどで県民が非難していれば、一人も被曝を防ぐことが出来たこと、

8) 特に、子供達やお母さんだけでも非難させたかったこと、

9) 続いて、あらかじめ準備しておいた「ビニールシート」を畑にかけて畑を守ること、

10) 原発の傍に急いで200メートル、深さ5メートルの防水プールを掘って汚染水のため場所を作る事、

11) 原発の傍に「汚染された土や瓦礫」を置いておく敷地を確保すること、そして積極的に汚染地帯から土や瓦礫を回収すること、

12) 福島の人に直ちに線量計を配り、健康診断を開始すること、

13) 1年1ミリを越えそうなところでは、児童生徒を疎開させ、放射性物質を含まない給食を確保すること、

14) 福島の人に汚染されていない水、食糧を配ること、

などをしておけば、被害はほとんど無かったと思います。

つまり、「原発は安全だ。だから事故のことなど考えない」というのではなく、

「原発を安全に作る事、事故を考えておくこと、それに対して電力会社が責任を持つこと、事故が発生しそうなときに住民の避難を開始すること」など、当然のことをしなければならなかったのです.』

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